【読書】川あかり

【読書】川あかり

題名:川あかり
作者:葉室麟

 この男、かっこいいな。
 読み進むうちに、その思いが強くなる作品だった。

 川止めされている大きな川を目の当たりにして、途方に暮れている若者がいる。
 彼は、ある命を受けて川が明けるのを待たねばならなかった。
 彼は藩で一番の臆病者と呼ばれ、彼自身もそう自覚していた。それなので藩の中で起きている騒動にも関わらぬようにしていたのだが、そんな彼に白羽の矢が立ってしまう。
 彼は派閥争いの渦中にある家老を暗殺するという密命を押し付けられてしまうのだった。

 亡き父親とは違い、剣の腕もからっきしである上に