連載:倭人伝の真実に迫る

33. 呉志の「里」

三国志の「里」も最後の呉志に入ってきた。ここには「短里」が出現している。「里」は全部で30例、そのうち長短里の区別ができそうなのは5例で、1例は短里であった。
 また、「周旋」の意味は「周囲を巡る」でよいことがわかった。さらに訳本で「昼夜兼行」と訳されている蜀志と呉志の原文は字が異なっており、これについての考察と、三国志の中で目にとまった「戸」と「家」についても記した。

33.1 長里の4例
●陽人から魯陽、100余里(孫堅伝 196年)
 中国歴史地図集で約60km。長里である。
●雒陽(洛陽)から大谷、90里(孫堅伝 196年)
 中国歴史地図集で