連載:薩摩よみうり文芸

薩摩よみうり俳句9月29日

9月29日 俳句
読売文芸 俳句 淵脇 護選 2020年9月29日(火)

岩を裂く灘の荒波鷹渡る
 (評)「季語」は「鷹渡る」で秋。10月10日頃になると金峰山や佐多岬などで、アカハラダカやサシバなどの
渡り鳥を観察できる。この句、地上には岬の岸壁を洗う
荒波を描く一方、大空には渡りを決意した決死の鷹の群れを配置し、勇壮にして華麗なる一幅の絵に仕上げた。ウマ
イ!

行きずりの山師がくれし谷あけび   霧島・内村としお
花火して瞬く青春楽しかり      霧島・江頭 理佳
振り向けばついてくる影秋深し  薩摩川内・大平 正道
高千穂に白雲湧けり稲穂出づ