連載:№28 これも聞きなし

ほっと氏の野鳥の話題28

ほっと氏の野鳥の話題 №28 2003年7月

これも聞きなし

 「よしきりはもと、長源寺の召使いで、住職が檀家を廻る時は、いつもお供をして、雨傘、日傘から履物の世話万端を受け持って仕えるのでした。ところがあるとき、住職が出かけようとしたところ、雪駄の片方が見えません。よしきりは不始末を詫びましたが、住職は許してくれないばかりか、よしきりを打ったりなぐったりするのです。よしきりは口惜しくてたまりません。住職をにらみつけ、覚悟をきめて、きっぱりと言いました。『長源寺長源寺、雪駄片ぴた何だべしょう、切るなら切れ、切らば切れ、切れ切れ切れ』。そして口惜し涙を