手折り来しもの嫋々と秋深し 後藤夜半 底紅
深秋といへば書斎に父の椅子 角川春樹
深秋にはまり込んだる峡の村 稲岡長
深秋の加賀の宿りの骨酒や 高浜年尾
深秋の吊橋壊れなほ架り 森田峠
深秋の紅葉の色に感嘆す アロマ
深秋や旅の終りのカフェオーレ 指澤紀子
汐留の蒼きイルミに秋深む アロマ
漁火の遠くにありて秋深む 晴風
石畳秋の輝き吸い込んで アロマ
秋深きかげともなひて部屋にあり 高濱年尾
秋深くチェロ弾き杖をつき帰る 有馬朗人 母国
秋深き大和に雨を聴く夜かな