温め酒風吹き荒ぶ外を見て



 七十は生意気ざかりぬくめ酒  萱

 結願の叶ひし高野温め酒  湯浅苔巌

 暮れてより山の灯遠し温め酒  安田登志子

 サイフオンに酒温たむる文化の日  四戸和彦

 温め酒追分節のしみじみと  山下佳子

 温め酒肴に鱈の炙りもの  アロマ

 下町に残る昭和や温め酒  藤見佳楠子

 温め酒茶碗でしみじみ味わって  アロマ

 缶詰の大和煮あてのぬくめ酒  松本善一

 薪の炊く焦げ飯の香や温め酒  東亜未

 塩運ぶ歩荷に茶屋の温め酒  今村千年

 隣まで果報来たらし温め酒  平野みち代

 温め酒風吹き荒ぶ外を見て