「温め酒」の日記一覧

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雪の夜におでん味わう温め酒

 肩寄せて屋台で交す酒温し  谷口一献  昭和には佳き男ゐし温め酒  大西乃子  温め酒香り仄かに啜りつつ  アロマ  いまどきのチンと音する温め酒  荻布貢  健やかに忘れて暮す温め酒   西村梛子  温め酒確と温めて五十年 梅田武  健やかに忘れて暮す温め酒   西村梛子  田仕舞や言葉ほぐるる温め酒 増田富子  これよりの命大事や温め…

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釜飯屋酢牡蠣に酢海鼠熱燗で

 モノクロの播磨貫く冬の川  塩路隆子  冬川を渡る最終列車の灯  桑島啓司  冬の川鈍色に流れ静かなり  アロマ  水ここで地下にもぐりぬ冬の川  稲畑汀子  橋脚に満水の跡冬の川 久世孝雄  夕闇は川風とくる冬の川 白石正躬  冬の川雪降り込んで溶けて行く  アロマ  色づく葉夕日に映ゆる冬の川 玉川利江  青一筋荒野に映ゆる冬の川 …

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温め酒 摘みは牡蛎の甘(うま)煮かな

  夕方からグッと冷え込んできて 重ね着をしている  小寒のひかり浸して刷毛目雲  火村卓造   小寒の夕映富士をのぼりつむ  浅羽緑子  晴れなれど朝夕冷えてやり切れぬ アロマ  小寒の夜半きらきらと洗車場  塚本邦雄 甘露  ぴしぴしと星座整ふ寒の入  大野徳樹  寒に入る鯛にも真鯛・れんこ鯛  鈴木真砂女 夕螢  寒に入る夜や星空きらびやか  長谷川素逝 暦日  武蔵…

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温め酒牡蛎の煮付けを摘まみつつ

 年の瀬や籠を突き出て葱・牛蒡  鷹羽狩行  年の瀬の花舗の香りの中にをり  森田節子  年の瀬や老いても独りビル管理  澤田緑生  年の瀬を大正ガラスに遊びけり  奥田順子  年の瀬の賑わい楽し宵の口  アロマ  年の瀬や谷中銀座に箸を買ふ  東亜未  年の瀬のネオン麗し連れ立って アロマ  年の瀬や花麩も並ぶ錦市  西村雪園  年の瀬や仏蘭西山の風の音  松…

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来し方の想い出深く綴れ織り

 花茨来し方をまた行方とす  深谷雄大  花下に立つ過ぎ来し方は無きに似て  安住敦  降り積みて来し方くらむ桜蕊  馬場移公子  手廂に来し方を見て涼しかり  黛まどか  来し方行く末その間に我のいて アロマ  われわれの過ぎ来し方に法師蝉  山口誓子  戦後といふ来し方青き蜜柑むく  玉城一香  大根煮て来し方何もなきごとし  山田みづえ まるめろ  母の日や我が来し方を…

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温め酒風吹き荒ぶ外を見て

 七十は生意気ざかりぬくめ酒  萱  結願の叶ひし高野温め酒  湯浅苔巌  暮れてより山の灯遠し温め酒  安田登志子  サイフオンに酒温たむる文化の日  四戸和彦  温め酒追分節のしみじみと  山下佳子  温め酒肴に鱈の炙りもの  アロマ  下町に残る昭和や温め酒  藤見佳楠子  温め酒茶碗でしみじみ味わって  アロマ  缶詰の大和煮あてのぬくめ酒  松本善一 …

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西日にコスモス揺れて一片の詩が

 いなづまの青くはためく詩の雌伏  上田五千石  かなぶんや昨日の詩の早や古ぶ  野見山ひふみ  コスモスや子がくちずさむ中也の詩  大島民郎  この熱風走る詩としてゴビを行く  加藤知世子  こほろぎの鳴きつぐごとく綴る詩か  木下夕爾  西日にコスモス揺れて一片の詩が  アロマ  しんしんと雪詩の中へ迷ひこむ  石松フミ子  すみれ咲く海軍壕の辞世の詩  野原すが子  わ…

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じゃがバターにホッコリ是好日なり

 HAUSER - Waltz No. 2 (Shostakovich)  早朝の名曲  中部地方メロンのような日柄かな  浅生圭佑子  朝顔や日々好日を小刻みに  中村草田男  凍土にこの好日のけふとなり  長谷川素逝 村  日々の是好日や秋茄子  高野 素十  日日好日とは石の平凡なるあたたかし  荻原井泉水  日々好日と杉の実干してあり  石井露月  日々好日賞与に縁…