新涼に木の葉戦いで母と子と



 反橋を行き新涼の風の上  山田弘子

 味噌漬の艶追分の宿秋涼  長谷川かな女 花寂び

 掃除してこゝ雲の座や秋涼し  松根東洋城

 折返すより新涼の馬車となる  稲畑汀子

 秋涼し花せんざいの百姓家  増田龍雨

 酒含みゐて新涼を分つなり  原裕 葦牙

 新涼や歩幅も合ひし夜の街  蒲 みつる

 水うまし着く新涼の山ホール  長谷川かな女 雨 月

 秋涼し橋おのおのに湯宿持ち  河野南畦

 新涼に木の葉戦いで母と子と  アロマ

 鮭鱒の孵化のさかりや寒の入  河東碧梧桐

 多摩川や鮭群来群来と昼の虫  伊藤いと子

 鮭といふ