逝く道程、残される俺:03 《 お出掛け 》

10月下旬 〇日
自宅での在宅医療が始まると、毎日来る看護師さんそれぞれが、
「ある程度、お出掛けしたら良いですよ。」と、勧める。
その日の点滴投与はお休みとなり、身体にチューブはつかない。

確かに読んだ本の中に「癌に克つ動技」と云うのがあった。
普通の健康な人だって 一日中ベットにいたら心身ともにオカシクなってくる。
『出来るだけ 外の空気を吸いに行くべきだ。』と思った。

まだ病気は治る と信じていた6月頃か。
「早く調子を取り戻して、秋には紅葉と温泉街の散策に行こう。」
と、目標にしていた。

10月○日
この日は病院での診察日。
午前中の早くに