連載:

「ない!」

やってしまった。いつからだろう。だいたい何度脱いだ?最初は腕だけだが脱いだ。

戻れ。逆にたどれ。

先ずはコンビニ。週刊誌を買った。ある訳ないが、全部たどれ。

次は中央検査室だ。超音波をやった。小さな声で受付嬢に聞くと、直ぐに立ち上がり、カーテンが閉まっている場所に行く。
「どの部屋でしたか?」
「ここです。」

さっき横になっていたカーテンを指差す。両側の胸を検査している間に時間が長く感じて、脇の下を検査した時には「もしや」と神頼みになった。それまでは何一つ不安はなかった。

受付嬢は中にいる人に聞いている。
「ないですね。」
「ありがとうございま