“さぶ”  山本周五郎の世界


お話の設定は江戸時代でしょうか。


表題となった“さぶ”と“栄二”というふたりの
若い職人のこころの交流を軸に、
人間の精神的な成長を追っていきます。
タイトルは“さぶ”ですが、実際の主役は
ほぼ“栄二”であると言って差し支えないでしょう。


彼を通じて、愚直なまでにまっすぐに生きる
“さぶ”の生き様が見えてきます。
彼らを取り巻く強い“おのぶ”の言葉は、
作者が“おのぶ”の口を借りて伝えたい事なのかな、
と思いました。
そのくらいメッセージ性が強く、いつまでも
心に残ります。
その“おのぶ”他に、この物語の中心であった
事件をしでかしていた女性、