「この世で経験することは、なに一つ空しいものはない、歓びも悲しみも、みんな我々によく生きることを教えてくれる」(山本周五郎) そうなんだろうね。何か喜ぶべきことがあったら、こういう楽しいことが何度も訪れてくれるように、なにがしかの努力をするだろう。また、悲しい出来事があったら、もう二度とこんな悲しいことが起こらないように、これまたなにがしかの努力をするだろうしね。いずれにしても、すべての経験…
『落葉の隣り』 (山本周五郎) 私は一般に長編小説は苦手である。その理由は私はセッカチだからだ。(私の此の性格は我が半生において私自身を実に苦しめてきたものだ) 幸いにして山本周五郎は中短編小説が多い。掲題の小説は、図書館から借りた山本周五郎全集(新潮社)の中の一巻に収められていた。昭和34年に発表された作品だ。 これは私の感想メモであるから小説のストリーは書かないが、此の短編は、まさに山…