「山本周五郎」の日記一覧

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「山本周五郎が愛した街 本牧を訪ねる」ガイド

◎「山本周五郎が愛した街 本牧を訪ねる」ガイド 5/17下見、5/31本番、依頼先「横浜市南区地区センター」、6km。 下見の日はかなり暑かったが、本番は若干雨模様で涼しくウォーキング日和だった印象。 下記、ガイドルート。 「JR根岸駅」⇒「元・外国人遊歩道」⇒「白滝(しらたき)不動尊」⇒「不動坂」⇒「間門(まかど)交差点」⇒「旧間門園跡」⇒「東福院」⇒「アメリカ坂」⇒「本牧(ほ…

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日本人の姿、生き方 日本婦道記

   ~~~ 読書感想 ~~~ 日本婦道記 下 山本周五郎  評価 ☆☆☆☆☆ 戦中・戦後の混乱期の日本人の姿、生き方を描いた 「日本婦道記」。 下巻は、無骨者で知られる男の許嫁だと、 でまかせを言ってしまった女を描いた「萱笠」 や「尾花川」「おもかげ」「風鈴」など15編を収録。 直木賞辞退作としても知られる金字塔、 その31篇を網羅した完全版。 上巻では武家の体面を保つために自らは…

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雨あがる

   ~~~ 読書感想 ~~~ 雨あがる 山本周五郎短編傑作選          山本周五郎   評価 ☆☆☆☆ 一言でいうと、 なんでもない日常のようなドラマ。 でも、とても心が温まる。 山本周五郎の直木賞を固辞した人柄に とても惹かれます。 本人の生き方にこそ、この小説群の 真骨頂が隠されているのかもしれません。 「日日平安」 「つゆのひぬま」 「なんの花か薫る」 「雨あがる」 の…

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日本婦道記

   ~~~ 読書感想 ~~~ 日本婦道記 上  山本周五郎  評価☆☆☆☆ 戦中・戦後の混乱期の日本人の姿、生き方を描いた 「日本婦道記」。 上は、裕福な武家の家に嫁ぐも、自らは つましい生活を送る女の真意を描いた「松の花」 や「不断草」「郷土」など16編を収録されている。 「松の花」も「不断草」も「郷土」も とても感動しました。 直木賞辞退作としても知られる金字塔、 その31篇を…

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かあちゃん

   ~~~ 読書感想 ~~~ かあちゃん・将監さまの細みち         山本周五郎 評価 ☆☆☆☆☆    ~~ かあちゃん ~~ 入牢中の朋輩に更生の資本をつくる為、 近所の悪口にも耐えて献身する 「無償の奉仕」の美しさ。 「おごそかな渇き」から盗賊すら心打たれる一家 を描く「かあちゃん」 女手なでひとつで5人の人の子供を育てる かあちゃん・お勝と、その家に入った泥棒 との心…

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あだこ

あだこ・山茶花帖  山本周五郎 評価 ☆☆☆☆☆   ~~ あだこ ~~ あだこの優しい心根が、人生を見限った怠惰な男 を立ち直らせていく過程を描く「あだこ」。 貧乏で下賤な姿になって無垢で天使的な存在 が現れることにより、癒しと再生がもたらされる物語。 傑作。 あだこ- 純粋な少女の心が奈落に落ちた 武士を再生させる… 現代でも通用する良い話に心うたれました。 自暴自棄になった…

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『文学館読書会』(2021年2月7日)「『日日平安』(山本周五郎著)」

 読書会「日日平安」(山本周五郎著)を読んでの感想を語り合いました。  参加者、(鬼丸、塩沢、今村、渡辺、植松)5名。 塩沢ー前回できなかった、辻村深月著「ふちなしのかがみ」は、若い人には面白いかもしれないが、山本周五郎の小説とを同時に、読んでみると、山本周五郎の作品を読んでの感動は身に沁みるが、辻村深月の作品は、ホラー、ミステリーが入っていて感動が薄い。日日平安は「にちにちへいあん」と読む。「…

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“さぶ”  山本周五郎の世界

お話の設定は江戸時代でしょうか。 表題となった“さぶ”と“栄二”というふたりの 若い職人のこころの交流を軸に、 人間の精神的な成長を追っていきます。 タイトルは“さぶ”ですが、実際の主役は ほぼ“栄二”であると言って差し支えないでしょう。 彼を通じて、愚直なまでにまっすぐに生きる “さぶ”の生き様が見えてきます。 彼らを取り巻く強い“おのぶ”の言葉は、 作者が“おのぶ”の口を借りて伝え…

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有名人の言葉 その121 山本周五郎

「この世で経験することは、なに一つ空しいものはない、歓びも悲しみも、みんな我々によく生きることを教えてくれる」(山本周五郎)  そうなんだろうね。何か喜ぶべきことがあったら、こういう楽しいことが何度も訪れてくれるように、なにがしかの努力をするだろう。また、悲しい出来事があったら、もう二度とこんな悲しいことが起こらないように、これまたなにがしかの努力をするだろうしね。いずれにしても、すべての経験…

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91、「寝ぼけ署長」(山本周五郎著)は貧民街訪問を欠かさない

「寝ぼけ署長」 山本周五郎著 新潮文庫 昭和56年8月25日発行 ー署長は五道三省とう名でした、年は40か41だったでしょう。  独身だったんです。  署長の読書力です、英、独、仏3か国語がやれ、漢文が読める。  読みかけのハンス・ヤールセンの本。  5年の在任中その卓子の上はいつも掃いたように片付いていた。村松正作といって後に内務次官になった人で、寝ぼけ署長と大学の同級生だった、が訪ねて来て、…

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樅ノ木は残った上下2巻を読み終える。

2020年7月24日 約一月を掛けて樅ノ木は残った上下2巻を読み終える。 読みたいと思い積読していた本ですがコロナ禍でいまだに遠出を控える日々なので読むことにより伊達騒動を知る上で大変参考になりました。 宮城県仙台伊達騒動を題材にした山本周五郎の「樅ノ木は残った」なので宮城県在住なら読むべき小説と思っていました。 この小説を題材とした歴史番組は、大河ドラマや他局でも何度も題材として採択されてい…

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68、「日日平安」(山本周五郎著)は貧しい武士の生きざま描く

「日日平安 青春時代小説」 山本周五郎著  角川春樹事務所 時代小説文庫 2006年11月18日発行 ー井坂十郎太が昨夜泊った宿で草鞋をぬいだ。 その男の名は菅田平野というのであった。  「陸田さんはなんにもなさらない、超然としてかれらのするままにしているというわけですね」 「いや貴方にはわからない」十郎太は首を振った。 「日日時事みな平安なり、そう云うだけなんだ」と十郎太は唇をゆがめた。 「わ…

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読書会「おごそかな渇き」(山本周五郎著)(2月9日)

読書会、参加者、僕、飯田さん、渡辺さん、小林さん、今村さん、山田さん、鬼丸先生。(8名) ー今回は、僕は、文学館協力員売店勤務があり、最初の30分と後半の20分ぐらいしか参加できなかった。 その間の1時間は、売店勤務をしていた。  だけど、残りの7名は、僕が、いない間も、話をし合っていた。僕が、終わっているだろうと思って、行った時、まだ、話が弾んでいた。  飯田さんが、学校では、文学教育などより…

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山本周五郎著「五辨の椿」不義で誕生の娘の生きざま描く

「五辨の椿」 山本周五郎著 新潮文庫 昭和39年9月25日発行 ーこの小説は、お気に入りの美伊南さんから紹介されて読了しました。親子関係、男女関係を生きねばならない人の、厳しい生きざまを描いていました。 ー「おっ母さん」とおしのが云った。  「そんなことだめよ」おそのは脇のほうを向き、すぐにまた向き直って、娘の眼をみつめながら云った。  喜兵衛がまた喀血した。  「娘のおしのって」と蝶太夫が訊…

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山本周五郎 の 風雲海南記

★3.4 昭和12~13年(1937~38)に新聞発表され、タイトルを「武士道春秋」「浪人の唄」「無明繪巻」「風雲海南記」と変えながら新聞に登場した初期の作品。それが111冊目の最後の出版物とされたのが本書の新潮文庫(平成4年、1992年)らしい。 四国西条といえば河野水軍の地、江戸初期その西条に入封したのは一柳家5万石。この時代、薩摩や加賀などの大藩をはじめ西国諸藩は密貿易で藩庫を潤していた…

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「おごそかな渇き」(山本周五郎著)は絶筆なり

「おごそかな渇き」 山本周五郎著 新潮文庫 昭和46年1月25日発行 ー祝宴 「村長は口がうめいさ」客の中の竹中啓吉が土地訛り強い言葉で云った。  「ゆき倒れだって」そして竹中啓吉はよろめきながら立ちあがった。  初めに飢があった  「おかしいな、空腹だという感じが少しもなくなった」と松山隆二は呟いた。  松山隆二の骨ばかりのように痩せた、殆ど血の気のない顔。そしてくたびれた背広や、乾いて歪んだ…

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『落葉のとなり』

『落葉の隣り』 (山本周五郎) 私は一般に長編小説は苦手である。その理由は私はセッカチだからだ。(私の此の性格は我が半生において私自身を実に苦しめてきたものだ) 幸いにして山本周五郎は中短編小説が多い。掲題の小説は、図書館から借りた山本周五郎全集(新潮社)の中の一巻に収められていた。昭和34年に発表された作品だ。 これは私の感想メモであるから小説のストリーは書かないが、此の短編は、まさに山…