石黒太郎「失敗しない定年延長 『残念なシニア』をつくらないために」

 私は現在56歳。著者の主張は実感としてよく理解できる。まだまだ第一線で働きたいが、55歳で役職定年を迎えた。後進に道を譲らなければならないのは理解できる。とは言え、セミリタイア感は拭えないが、そこは割り切って後進の育成と自分の心身のメンテナンスに時間を使うこともできる。問題は60歳の定年後だ。希望すれば再雇用されるが、年収は大きく下がり、目標も評価もない。会社からは何も期待されず、捨て扶持を与えられるようなものだ。著者の言う「残念なシニア」は現在の再雇用制度に由来するのは間違いない。

 現在でも日本の主流である年功序列・終身雇用の人事制度では立ち行か