読書「偽りの銃弾FOOL ME ONCE」ハーラン・コーベン 2018年刊

 このミステリーは、最終章の第三十四章が私にとって白眉なのだ。感情移入すると涙が滲んでくること間違いない。

 マヤ・スターンは、失意のどん底にいた。殺された夫ジョーの葬儀で憔悴した姿で立っていた。その時、マヤの心はここまでに至ったジョーの背景を明らかにする決心をしていた。

 二歳のリリーを抱えるシングルマザーとなったマヤ、一人の女性が問題を明らかにできるのか。ストーリーは複雑に絡み合って展開する。

 ジョーとマヤが知り合うきっかけとなったのは、大富豪バーケット家の慈善パーティでだった。陸軍大尉として正装で出席していたマヤ。バーケット家の長男ジョーが