連載:心の歌

 風花

  
風花がひとひら思い出を抱いて

風花がふたひら悲しみを連れて

澄んだ空から舞い降りて来た

私の手のひらの上で

小さな小さな涙になった

その姿は頼りなくて愛おしくて

まほらに憧れた若き日の夢の様に

言い出せなかった少年時代の恋の様に

玉響の輝きと儚く消えた

冬の陽が射す国道の上を

散り惑う様に風花が舞い降りて来た

カテゴリ:日常・住まい