連載:妄想爺やの喜怒哀楽2

善意の傘が失せたバス停

妄想爺やの喜怒哀楽45

近所にあるバス停には、誰が始めたのかは分からないが、2、3年前くらいから、数本の傘が、待合いのベンチの横の盾看板に並んで立てられていた

もちろん、新ピンではなく、中古の透明のビニール傘である

その傘を、なんの為に、どのようにというのは、それを見た人の判断、良識により異なるだろうし、それが問われている

僕は、突然の雨に、傘を持たない人が、バスを降りたときに借りて持ち帰り、違う日に、またそこに返す、いわゆる善意の傘だと思っていた

幸い、僕はカバンに常時、折りたたみの傘を入れていて、その善意の傘を利用させてもらうことはなかった