温泉語物No.1754 「あのとき君はバカだった」(やや簡単)

 このところ我が人生を振り返ってみることが多くなった。心臓病に喘息持ちだから、新型コロナウイルスに感染したら、一発であの世行きだろう。そんな不安を胸に好きな温泉にも行かず、昔を懐かしんでいる。

 二十歳の頃、家の近所の電気会社で夏休みとか冬休みにアルバイトをした。配属された冷蔵庫の組み立てラインのグループに可愛い女の子がいた。職場の慰労会で一緒にボーリングをした。帰りの電車の中で、その二つ年下の可愛い女の子から愛の告白をされた。俺もその子のことが好きだった。でも、その告白を一瞬で蹴っ飛ばしてしまった。彼女には婚約をしている同僚の男性がいたからね。彼に悪