最後の一突き

どんどん降っている。

予報では昼頃から降ると言っていたのに、それを無視した雪どもは目に映らない程に細かい粒で、闇に紛れて忍ぶように舞っていた。

それが日の出と共にその正体を現わし、粒を大きくして最早「幻想的」と云う言葉さえ忘れたかのように全てのものを覆っていく。

「したくない派」は家にいなさいと捨て台詞を残すルンバに
(したくない派❔ したいけれど出来ない派だ)と本心を覗かせながら
「溶ける派」だと訂正する私。


「誰だって雪かきなんかしたくないんだよ」と云いながら出て行くルンバの後を追うように項垂れて私も続く。

雪は思っていた以上に軽い粉雪で