一度通り過ぎてから停めた。若い女性が、積み上げた大きな箱に入ったイチゴを透明なパックに詰め替えている。大粒だ。
総武線の線路脇の、建物と建物の間に残された畑にビニールハウスがある。
自転車を停めて近づくと、イチゴのいい香りがする。スーパーだとこんな香りはしない。私は孫にちょうどいい手土産になると買う気になった。
隣の直売所に行くと数箱並んでいて「千円」とある。2パックで千円だと思ったら、1パックの値段だという。買うしかない。
真冬は自転車に向いている。スポーツウェアの上に風を通さないウィンドブレーカーだけで、直に熱くなった。
出発して直ぐにい
連載:オカンの一人歩き