連載:妄想爺やの喜怒哀楽2

無償の喜びがわかる老いに

妄想爺やの喜怒哀楽84


よく、歳をとると人間が丸くなるという

つまり、若い頃、怒りっぽい、気が荒い者は、穏やかに優しくなると云うことなのだろう

若い頃、僕は収入を上げたい、あれを買いたい、あれを食べたい、あそこに行きたいなどなど、まさに経済活動のなかのひとつの歯車、駒そのものだった

変に気合が入っていて、気色ばんでいたようだ

しかし、企業戦士の鎧をとうに脱いだ昨今の僕は、本来、自分の内に潜んでいたものが萌芽してきているようだ

若いときには、仕事につながる知識や経験を積み上げることに熱心だった

つまり、見返りの報酬の為に、時間やお金を費やし