土鍋にて根っこが美味しい芹鍋を



 また曲る那須のけむりや草摘める  阿波野青畝

 小判草摘んで千両ほどの音  小金千鶴

 何処からも見ゆる東寺や草を摘む  尾崎放哉 大学時代

 川上のむかうの岸に草摘める  草田男

 手を拭いてゐて摘草の野が見ゆる  鷲谷七菜子 一盞

 摘草の嫁菜にまじり似たるもの  若沙

 若菜摘むやがて風花舞い降りて  アロマ

 摘草や髪と裳裾に風みゆる  舗土

 草摘に光り輝く運河かな  川端茅舎

 アメリカの香り乏しき芹を摘む  吉良比呂武

 シェフ来てはクレソン摘めり春の雪  長谷川櫂 蓬莱

 三葉芹摘みその白き根を揃ふ  加倉井秋