麗らかな野道を行けば揚羽舞う



 暮れてより風をさまりし菜飯かな  中野あぐり

  さしこめる光まばゆし青菜飯  長谷川通子

 ふっくらと菜飯盛り付け香の物  アロマ

 思ひ出のみどりや母の嫁菜飯  小渕二美江

 五十三次夫と歩きし菜飯かな  河本由紀子

 粥吹いてきさらぎの果つ夕べかな   北川孝子

 きさらぎの海の光れる伊予路かな  片山喜久子

 きさらぎが追つかけてくる海鼠壁  梶浦玲良子 六花

 きさらぎの青竹で酌む地酒かな  能村研三

 きさらぎの町は無色の風通す  鈴鹿仁

 きさらぎのひかり運河にあふれけり  高田令子

 中空