連載:日本語

名文家とわたし

新たな文章術が目にとまる。
しかし、その紹介文はわたしの頭ではやや難しい。
それでも今まで学んできた井上ひさしの作文法などに共通しているので、ひとつふたつのポイントを再学習してみよう。

>「書き出しの三行」とは、本や文章を読んでもらうには、最初の一文、長くても三行以内に、読者を驚かせ、のけぞらせなければならないということだ。

「初めの文は短ければ短いほどよい」と言ったのは、大宅壮一と記憶する。
そこで思い浮かぶは、「吾輩は猫である」や「四里の道は長かった」の書き出しで、「三行」より「短い」のがわたしの好み。
もっとも、「読者を驚かせ、のけぞらせなけれ