連載:

「春の嵐」

横殴りの雨だ。窓から見える限り辺り一面屋根で埋まっているが、まるで湯気が上がっているように雨が靡いて行く。

孫たちは昼寝に入ったが、バアバは眠れない。
「夜来風雨の声 花落つること知りね多少ぞ」だ。『春暁』はうつらうつらした頭て、昨夜の嵐でさぞや庭には花が沢山散ったのだろうなどと暢気な事を言っているが、私はたった今のこの嵐が心配でならぬ。

孫宅に来ると孫と一緒に寝るから9時には寝るのに、目覚めたら既に外は明るく7時を回っていた。孫の相手は体力勝負だ。

テレビは「大雨警報」を伝えている。嵐よ、やんでくれ。椿が散ってしまうではないか。今年始めて咲いた椿