マイクル・コナリーの「素晴らしき世界（上、下）」を読了した。著者はアメリカ在住のミステリー、ハードボイルド作家である。本書は、元ロサンゼルス市警（LAPD）刑事のハリー・ボッシュを主人公としたシリーズの第21作である。本書では、15歳の家出少女が殺害された未解決事件を追うボッシュと、彼に協力するロス市警の女性刑事レネイ・バラードの活躍が描かれている。
　ロス市警ハリウッド分署の深夜勤務（レイトショー）担当の女性刑事レネイ・バラードは、腐敗死体の発見現場に臨場し、その死体が事故によるものと判断して分署に戻ると、古い事件ファイルを盗み見ている見知らぬ男を発