轢き逃げ犯のその後

 薬丸岳の「告解」を読了した。著者はミステリー作家で、2005年に「天使のナイフ」で第51回江戸川乱歩賞を受賞して、作家デビューしている。本書は、飲酒運転により老女を轢き逃げし、実刑判決を受けた青年のその後の人生を描いた贖罪の物語である。
 超一流大学の京北大学生である籬翔太(二十歳)は、ある夜アルバイト仲間と上尾駅の近くの居酒屋で酒を飲んでいたが、恋人で栄養士専門学校生である栗山綾香と喧嘩したため、気分的に落ち込んでいた。終電が近いため仲間達はそれぞれに帰宅し、翔太も仕方なく上尾市の自宅に帰る。しかし、帰宅した翔太の携帯電話に綾香から、「直接会って話が