連載:読書感想文

35、『青年』(森鴎外著)は自然主義文学時代の文学希望の青年の生きざま描く

『青年』 森鴎外著 新潮文庫 
昭和23年12月15日発行
ー小泉純一。
自分の捜す大石けん太郎という名。
色川国士。
鴎村。
瀬戸速人とはY市の中学で同級にいた。
大石路花。
「大石路花か。なんでもひどく無愛想な奴だということだ。やっぱり君は小説家志願でいるのだね」
「どうなるか知れはしないよ」
「君が東京へ出てから中学へ来た田中という先生があるのだ。その先生が大石と同窓だもんだから、紹介状を書いて貰った」
「それがえらいと云うのです。地獄はみんなが買います。地獄を買っていて、己は地獄を買っていると自省する態度が、厳粛だと云うのです」
 植木屋の勝手の