俳句 3月30日
俳句 淵脇 護 選
溶岩に体重あづけ楤芽かく 鹿児島 上坪 満代
【評】季語は「楤芽」で春。タラはふつう野に自生するが、現今は栽培された若芽が、スーパーで売られ、総菜売り場ではテンプラとなって登場する。この句は、自分で火山地帯の山に踏み入り、山菜採りに興じている図。「溶岩に体重をあづけ」に実感がこもり、収穫の喜びも伝わってくる。
母の影遠くになりて木の芽道 霧島 秋野 三歩
真青なる空を占めたる辛夷かな 薩摩川内 石堂 絹子
共白髪御身がありての桜かな 霧島 内村としお
白木蓮軒の日の丸真新し