花曇圧し掛かるかに花の枝



 珈琲にかりそめの泡花曇  岸しのぶ

 花曇圧し掛かるかに花の枝 アロマ

 花曇り蔵街奥の軒庇  岡山満沙子

 カステラの老舗の甍花ぐもり  高畠陽子

 花ぐもり綿菓子を食ぶおさげ髪  恒成久美子

 モーニングサービスの温泉玉子花ぐもり  木村茂登子

 花曇吉祥天のふくよかに  花岡豊香

 巴里の街を聖火迷走花曇  廣見知子

 わけ有りの特売品や花曇  矢口笑子

 花曇り神保町に紙の店  瀬島洒望

 風ありて天の半分花曇  岩下芳子

 湾なりに列車過ぎゆく花曇  泉本浩子

 ふんはりと踏みゆく堤花ぐもり