彩りの花見弁当真ん中に



 お茶席にふるまはれたる花見膳  佐原正子

 回覧の村の花見にわが名前  田中武彦

 タクシーの遠廻りして花見かな  岩松八重

 惜しみなく刻の過ぎゆく花見かな  下平しづ子

 転舵して俗世に戻る花見船  永井雪狼

 花見頃揺蕩うように糸桜 アロマ

 花見待つ靖国通り和菓子店  町田喜久

 身仕度もきりりと母の花見かな  浜中トキ子

 深大寺花見の後の手打蕎麦  金子八重子

 快き揺れよ海津の花見船  竹内悦子

 花見酒電気ブランといふ紳士  稲畑廣太郎

 外つ国の人や花見に人力車  木下晃

 花見客ビ