満開は枝垂桜のその一本



 枝垂桜真下に入れば花少な  櫻井多恵

 雨しとど枝垂桜を伝ひ落つ  古賀貞美

 満開は枝垂桜のその一本 アロマ

 地に触るる枝垂桜や弥陀の前  山路紀子

 篝火の渦巻く枝垂桜かな  宇都宮敦子

 三百歳枝垂桜の名ぞ「伏姫」  上村葉子
 
 変幻の空に従ふ花の色  山田弘子

 桜枝垂れ中より人の現れる アロマ

 咲き満ちし花の力にあやからむ  安原葉

 蔵王党埋め残せる花の色  吉村玲子
 
 花屑を掃く音若葉に響きけり  牧原佳代子

 花の塵張りつく車夜勤明け  下島千代子

 花の塵雨に流れて側溝に アロマ