花衣薄墨で描く桜かな 



 花衣われにかそけき翅音あり  小菅暢子

 ぬくもりをそのままかける花衣  高野清風

 花衣薄墨で描く桜かな アロマ

 花衣着つつはなやぐ母子あり  山村修

 呼鈴を押す手眞白き花ごろも  北川孝子

 宇野千代の花と競へり花衣  品田弘子

 半襟のしぼふつくらと花衣  相田喬子

 花衣古稀より以後は齢捨つ  石岡祐子

 優柔を捨てたる後の花衣  あさなが捷

 花衣日差しに映えて麗しく アロマ 

 食八分力も八分花は葉に  奥田節子

 花は葉に車夫の背中の黒襷  頓所友枝

 花は葉に空は薄墨心地よし アロマ