連載:蕎麦の食べある記

秩父「××××」 ―十割蕎麦―

先日、同級生と鐘撞堂山を登った日のことである。
皆野で鰻を食べた翌日は、初回の『蕎麦の食べある記』で紹介した、石橋庵へ行くことが多かった。
幸い、この日は営業している日だった。
ところが、偶には違う店に行こうと思って決めたのが、影森の蕎麦屋だ。

店の玄関には、コロナ対策と子連れ客に対する、注意事項を書いた張り紙があった。
飲食店で子供が騒ぐのは、他の客には迷惑だが、店がとやかく言うことに違和感を覚えた。
店主は、職人気質の頑固おやじかもしれないと思った。
先客が一人居たが、すでに食べ終えていて、直ぐに我々三人だけになった。

「十割天せいろ」を注文した