連載:一語一恵

 人は情けの下に住む



   鮎は瀬につく 
    鳥は木にとまる
       人は情けの下に住む

            山家鳥虫歌(近世の民謡集)


    鮎は浅瀬に、鳥は木の上に住みやすいように
   人は情のある所に集まり
   そういうところは住みよいと言う歌意
   この「情け」は
   広く親子・夫婦・師弟・男女・友人間の愛情を指す人情一般のこと

   近世歌謡から現行民謡に至るまで広く流布した名歌の一つ
   特に盆踊り歌として愛唱されたと言う

   世俗に生きる庶民の姿を端的に表現して
    「うん! なるほど」と思うことしきり

   優