中国の唐の時代に馬祖道一(709年-788年)という禅匠がいた。平常心というものを説いた最初の人と言われている。
その内容が伝灯録という書に残っている。
「道は修するまでもない。ただ汚染しなければよいのだ。何が汚染かといえば、およそ生滅する心で、造作し趣向すれば、みな汚染となる。ずばり道と一つになりたければ、平常心が道にほかならぬ。平常心には、造作もなく、是非もない。取捨もなければ、断常もない。凡もなければ、聖もない。・・・」
このなかで造作する心、趣向する心というのが、汚染なのだというふうに言っている。
たとえば自分の修行の程度はどのくらいになっ
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