あの日あの時~9年前の6月13日

 梅雨の季節なのに初夏の煌めく光が燦々と
落ち込んでいた日々。
夏日も続き夜も寝苦しかった。

 6月13日の朝は何の前触れもなく雨だった。
ああ、やっぱり梅雨なのね。
季節はきちんと雨を降らせてくれる。

 雨はただひたすらに、真っ直ぐに水の音だけ
残して降りしきる。
鬱蒼たる緑の蔭が落ちている路面をふいにすうっと
冷たい風が吹き抜けた。
窓辺に吊るした風鈴がちりんと鳴った。

 最近は、新しい日記を更新する意欲も元気もない
私は、ただひたすらあの頃の私に会うために
過去日記を彷徨っている。

 少なくともあの頃は今より元気だった私がいた。
6月はどの