温泉語物No.1863 「大川さん」(やや難問)

 テレビの人気番組に「こんなところに日本人」というのがあり、私もたまに見る。世界の僻地に暮らすたった一人の日本人をタレントさんが苦労しながら訪ねてゆく。

 以前たまたま見たのは、漫画家の蛭子能収さんが中国四川省のチベット族の住む村に日本人男性を訪ねて行くというもの。日本から56時間もかけてたどり着いた山間の村にその男性は住んでいた。

 「アレ?大川さん、大川さんですか?」

 ついに見つけたその日本人男性は、その村の景色や高山植物に魅せられたというカメラマンで、51歳の時に年の離れた現地の女性と結婚していた。もともとはサラリーマンで、50歳の時に早期