74  「終の住処」磯崎憲一郎 141回芥川賞受賞作 読書感想

「終の住処」(ついのすみか)を、ついに読み終わった。重苦しい作品で、5~6日かかってしまった。30歳過ぎの二人が、結婚し、20年を過ぎて、再び、疲れたような顔を、それぞれが、相手の中に見出しているといった小説なのである。芥川賞は、何かの断面を切り取り、問題提起をし、文学にある種の切り口を示した作品に与えられる小説なのか。直木賞と違って、読みづらい作品があるとは知っていたが、この小説も、すいすいと読めるような作品ではなかった。

私の中に何が残ったのだろうと、考えてみた。夫婦の中には、このような生活を送り、人生の終末を迎えて行くケースもままあるのだろうか、