青葉木菟古寺に鳴く声密やかに



 開け放ち眠る古里青葉木菟  水野加代

 青葉木菟「ぼろ着て奉公」と鳴くと 祖母 鈴木愛子

 青葉木菟鳴くたび月の濃くなりぬ  間宮あや子

 空耳か苔寺に聴く青葉木菟  平田すみ子

 青葉木菟古寺に鳴く声密やかに アロマ

 奥祖谷の灯を恋ふ声の青葉木菟  橋本榮治

 比叡の月ややに暈持ち青葉木菟  益本三知子

 手紙よく書きたるむかし青葉木菟  片山由美子

 せせらぎも木陰も馳走床涼み  林和子

 借景の東山暮る床涼み  辻田明

 川床に料理涼しく頂いて アロマ

 川床や崩すに惜しき鮎料理  中里カヨ

 天