八田進ニ「『第三者委員会』の欺瞞」

 著者は会計学者で、第三者委員会報告書格付け委員会の委員でもある。まず第三者委員会とは、不祥事が発生した際に客観的な第三者の立場から原因を追及し再発防止策を提言する役割を果たす。不祥事というと「企業不祥事」を頭に浮かべやすいが、企業に限らない。官庁や東京オリンピック招致委員会など公的団体でも発生する。人が運営する組織に不正はつきものだ。次に「第三者委員会報告書格付け委員会」は、文字通り第三者委員会が出した報告書を格付けする任意の委員会である。第三者を名乗りながら名ばかりだったり、甘々の調査で依頼主の企業に免罪符を発行するだけの第三者委員会報告書の多さに義