数年前の夏、就寝中、金縛りにあった
普段起床する2、3時間ほど前の早朝だった
部屋の電気は豆電球だけでまだ薄暗い頃
眼は開かないが目が覚めた
身体を動かすこともできない、金縛りのような状況だった
もちろん、口も動かせず、声も出せなかった
そして、開けようとしても開けられない瞼のうちに、なにか黒い影を感じた
仰向けの身体の腹部あたりに、何かが乗っている重みを感じたのだ
何が乗っているのかと眼を開けようとしても開かない、身体を動かそうとしても動かない、声を出そうとしても動かせなかった
そんな金縛り状態が三十分ほど続いた
必死に、意識を集
連載:妄想爺やの春夏秋冬3