連載:妄想爺やの春夏秋冬3

火垂るの墓

終戦記念日が近づく頃、想い出す映画だ

亡き祖母や父から聞いた戦争体験を、この火垂るの墓のアニメの場面場面に見ることができる

多分、実写の画面では伝えられない、若くして餓死した幼い兄妹の痛ましさを表現していると思う

ドロップを舐めるのが妹の唯一の贅沢、楽しみであった身寄りのない二人の生活

二人が貧しいというより、戦時中の日本が食料品、物資不足の貧窮の世

そんななか、身寄りのない幼い兄妹が、生き延びる術は無かった

妹が薄暗いなかで寝るのを怖がらないように、二人の住居であった防空壕なかに張った蚊帳の中に螢を放つ兄

夜が明けて死んでいる蛍を、お墓を