連載:シニア

「選手より伴走者に目が行った」

パラリンピックが終わった。最終日のマラソンを見た。

オリンピック程にはパラリンピックを積極的に見なかった。開会式は見た。下半身のない人を見た。偶々職場で水泳を見た。言葉がなかった。

私が知っている障害者は目の見えない人や車椅子の人や、どんなに大目に見ても『五体不満足』の乙武洋匡さんまで。彼はいつもスーツを着て笑顔を浮かべている。

マラソンは見たかった。東京を走るからだ。今は東京に行く気になれない。

二人ずつ走っていた。ゼッケンを付けたのが選手で、その選手より体格のいいスポーツマンが隣を走る。

東京の街並みは全く興味が湧かなかった。手と手を紐で結