連載:運動

「仲間と走った小径を」

リーンリーンともガシャガシャとも形容し難い鳴き声が、辺り一面から聞こえて来る。

以前見た時より巨木に感じるのは、藪が綺麗に刈り取られているからだろうか。歩き出すと直ぐに枯れ草の香ばしい匂いがした。

家を出て直ぐに腕時計を忘れた事に気付いたが、取りに帰るのは面倒だった。一周800メートルあり、一周の時間を測っていた。

一周は歩いた。カラスがまるで朝礼をしているように近くで鳴き交わしているのは変わらないが、隣の小学校が静まり返っている。

2周目、走りたくなり途中に走りを入れた。走るのは歩くのと全く違う。エイヤッと体を持ち上げる。

歩きといっても汗が