連載:読書など

『TOKYO REDUX  下山迷宮』を読む(1607)

 wakohはかつては、読書家の方だった。学徒としての生涯を送ってきたのだから、それは当然とも言えるかもしれない。だが、主として横文字の専門書だった。だから、評判になっているベスト・セラーなどに関しては、却って疎くもあった。
 ところが、今や読書の量も質もすっかり変わってしまった。専門書はあまり読まないし、大体読書量自体が減ってしまった。読むものも、平易に読めるような新書タイプのものなどが多くなっている。恥を忍んで告白すれば、そうかもしれない。実は、今なお専門領域の著書などをご恵贈に与ることは多い。それらを読み切れずにいたりする。
 老いとは、そういう面