ジョン・マクマホンの「刑事失格」を読了した。著者はアメリカ在住のミステリー作家であり、広告ディレクターを経て、2019年に本書で作家デビューしている。本書は、敏腕刑事でありながら、妻と子供を事故で失ったために酒浸りの生活を送っていた主人公が、泥酔して記憶を亡くしたまま自ら殺人を犯したのではないかと脅えながら、アフリカ系の少年の焼殺事件を追う姿を描いた警察小説である。
　主人公のＰ．Ｔ．マーシュは、アメリカ南部ジョージア州の小さな町メイソン・フォールズの警察の刑事であるが、一年ほど前に妻と子供を事故で失って以来、生きる気力をなくし、酒浸りの生活を送ってい