バーから消えた女

 逢坂剛の「地獄への近道」を読了した。著者はミステリー畑出身の直木賞作家でるが、「重蔵始末」シリーズや「鬼平」シリーズ等の時代小説も幅広く手掛けている。本書は、斉木警部補、梢田巡査長の幼馴染の凸凹コンビを主人公とした、ユーモアミステリーの御茶ノ水警察署シリーズの第六作であり、本シリーズ初の文庫オリジナル作品である。
 「影のない女」:御茶ノ水署生活安全課保安二係係長の斉木斉警部補と梢田威巡査長は、一週間前に猿楽通りで開店したバー「ブライトン」にやって来ていた。ブライトンは斎木の天敵の大西哲也が係長の保安一係が開業許可を出したので、二人は何かあったら営業停