耶馬渓に自然薯蕎麦を食べし昼



 鶴啼くやどこかほころび北の空  関清子

 冬浜や貝殻の音身のどこかに  山口誓子

 立冬の声や頭のどこか澄み  細見綾子

 花荷着く時雨の山の彼方より  飯田龍太

 冬紅葉燃ゆる彼方の仏かな  細見綾子

 燈があれば彼方がありぬ枯野行  鈴木鷹夫 風の祭

 裏木戸の音の彼方へ天道虫  飯田龍太

 柚子の実の金の彼方に山眠る  長田群青

 柚子黄なり刺身の酢に遣いけり アロマ

 秋川の音のかなたに父母います  金子兜太

 風花や雲のかなたの空青く  小宮敏江

 波の花舞い上げ荒れる日本海  アロマ

 冬浪のかなたまたたくロシア