何処からか金木犀匂う日々



 何処へ行かう落花名残の風あをみ  林翔 和紙

 何処かで小競り合い風に吾亦紅  大西 節

 袷着て隣の女房何処へやら  小林李坪

 何処からが晩年甘納豆と冬日  鈴木鷹夫 春の門

 何処へと聞かれ暫し考える人  アロマ

 何処からか出て来て並ぶ小鴨かな  成田蒼虬

 何処そこのせんさく無用遠柳  桜井梅室

 何処にか秋の声ありふりかへる  高浜年尾

 空灼くる何処かに蝉の天開け  松崎鉄之介

 何処よりうすば蜉蝣吹かれ来し  安田万十

 無人駅降り何処からか花吹雪  アロマ

 何処より来て秋風のわがほとり  上野さち子

 摘