秋冷の花に残暑のまぎれ込む 布川直幸 降り立てば江戸の残暑を忘れもし 稲畑廣太郎 残暑解く鉄道模型めく俯瞰 稲畑廣太郎 梵鐘の音色にこもる残暑かな 塚越弥栄子 自然薯を力頼みの残暑かな 落合由季女 冷やし中華に氷落として残暑かな アロマ 荒川の季のある暮らし残暑なり 熊谷みどり 一雨に残暑和らぐ都心かな 稲畑廣太郎 …
鶴啼くやどこかほころび北の空 関清子 冬浜や貝殻の音身のどこかに 山口誓子 立冬の声や頭のどこか澄み 細見綾子 花荷着く時雨の山の彼方より 飯田龍太 冬紅葉燃ゆる彼方の仏かな 細見綾子 燈があれば彼方がありぬ枯野行 鈴木鷹夫 風の祭 裏木戸の音の彼方へ天道虫 飯田龍太 柚子の実の金の彼方に山眠る 長田群青 柚子黄なり刺身の酢に遣いけり アロマ…
私は山もが好きでなかった。 そばにかけて とろろそば お米にかけて どろどろとしていてとても不気味で嫌でした。 田舎で生まれ育った私は嫌いでした といってもあからさまに食べないとも言わないし嫌いだとも言わなかった。 田舎生活が始まると「いただき物の中に入ってくる」 食べないとも嫌いとも言わないから最高のごちそうとしてやってくる。 キッチンの隅で干からびていく。 最近はそれももったいな…
旧き代の混ざりもの無き煙草の香 アロマ 雹くると空が教へし煙草畑 若色寿美女 醉ざめや十日の菊にたばこのむ 菊 正岡子規 その昔スリーAの紅いパッケージ アロマ 邯鄲を聞く煙草火か動かざる 阿部ひろし 蠧て下葉ゆかしきたばこ哉 蕪村 秋之部 ■ となせの瀧 螢火に赤き煙草火ひとつくる 百合山羽公 寒雁 蝌蚪の水に煙草火投げて訪ひにけり 銀漢 吉岡…
こんにやくの刺身つるりと休暇果つ 山田桂三 こんにやくの刺身もよろし年忘 山口青邨 とぎすます刺身包丁梅雨ひと日 鈴木真砂女 夏帯 ひとふりの刺身庖丁買ひて冬 鈴木真砂女 夕螢 ふぐ刺身舌にのせれば舌と化す 出井一雨 鰭酒に次いで河豚刺し舌鼓 アロマ 河豚刺しで葱を包んで食べている アロマ 往来でつくる刺身や都心さむく 中村草田男 黄なる妻鮒…